ストーリー
◆氷の魔王編 プロローグ
今から10年も昔のこと。
ポポロクロイス王国は突如として激しい寒さに襲われ、すべてが雪と氷に閉ざされてしまいました。
それは、はるか北の大地からやってきた氷の魔王のしわざだったのです。
魔王は四天王という魔法使いを従え、お城を襲ってきました。
その圧倒的な力の差に、人々が戦いをあきらめかけたとき、1匹の美しい竜が城を守るように現れたのです。
氷の魔王と竜との激しい戦いは幾夜にもかけて繰り広げられ、ついに氷の魔王は倒されました。
しかし魔王は、その魂が闇の世界に落ちるときに、疲れ果てた竜を引きずり込んでしまったのです。
それから月日は流れ、
平和を取りもどしたポポロクロイスでは、国王の1人息子、ピエトロ王子がちょうど10歳の誕生日を迎えました。
王子の誕生日を祝うにぎやかなパーティーが開かれ、たくさんのお祝いの声が王子に届けられました。
けれども・・・王子はどこかさびしそうでした。
◆氷の魔王編 塔の最上階で眠る人
10歳の誕生日を祝うパーティの間も、なぜかさびしそうに見えたピエトロはその夜、部屋のテラスで母を思い、夜空を見上げていました。
「おかあさんに会いたいなぁ…」。
そのとき、彼は入ることを禁じられているお城の塔に父パウロ国王が入っていく姿を目撃したのです。
ピエトロは好奇心を抑えることができず、パウロ国王の後を追って塔の最上階まで登って行くと・・・
はたして、そこで見たものは・・・・静かに眠る美しい女の人でした。
パウロ国王がこの10年間、ピエトロに言わずにおいたこと、それはこの女の人がピエトロの母サニア王妃であるということ、
そしてピエトロを生んですぐに原因不明の深い眠りについたということでした。
王妃を目覚めさせる方法は森の魔女ギルダに探させ続けているけれども、未だそれは見つからないというのです。
また、パウロはこんなことも言いました。
“ブリオニアの図書館”ならば、目覚めさせる方法を記した本があるかもしれない、と。
ベッドに入ってからも寝つけないピエトロは、自分の力でおかあさんを目覚めさせたい、と思いました。
そしておかあさんに話しかけたい、と。
旅立ちを、決意した夜でした。
◆氷の魔王編 ピエトロ王子の旅立ち
翌日、さっそく城内や城下町の人々にさまざまなことを聞いて回るピエトロ。
その中で分かってきたことがありました。
一年に一度、この季節には「ブリオニア」と呼ばれる空に浮かぶ島がポポロクロイス城の上空に飛来します。
この時期になるとモンスターが凶暴になるのですが、
今年はその傾向が強く、何か不吉なことが起こる前兆ではないかと噂されています。
お城の魔法使いたちも“ブリオニア”研究に懸命です。
“ブリオニア”の謎を解くこと
それが魔法使いたるものの望みだというのです。
ブリオニアに行く方法は未だ誰にも分かりません。
しかし魔法使いで発明家のヤンという人がブリオニアの研究の第一人者で、
もしかしたら何か教えてくれるかもしれないというのです。
ピエトロはヤンに会うために、まずはフローネルの森のはずれに住む森の魔女ギルダを訪ねることにしました。
こっそりと城下町を抜け出したピエトロ王子の、「おかあさんを求める旅」がはじまります。